委託販売とは、
受託者に商品を依頼し、手数料を支払って販売する取引をいいます。その商品等を引受ける側は受託販売です。
売上計算書(仕切精算書)とは、受託者は商品を販売し、その代金から自分の収入である手数料と販売経費を控除した残額を委託者に支払う内訳書をいいます。
委託者は、
商品を引渡した時点では売上にはならず、受託者が商品を販売した時点で売上になります。また当期の売上にもかかわらず、その売上の連絡が決算日後にあった場合に世費用は当期の売上としなければなりません。
ただし、売上計算書が販売のつど送付されている場合には、計算書が到達した日をもって売上を計上することができます。
下記は委託者側と受託者側の仕訳の流れを図にしたものです。
委託側 期末一括法
積送時
商品100を発送し、発送運賃10を現金で支払い。
発送費を原価に算入する場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
積送品 | 110 | 仕入 | 100 |
- | - | 現金預金等 | 10 |
発送費を販管費に算入する場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
積送品 | 100 | 仕入 | 100 |
積送諸掛 | 10 | 現金預金等 | 10 |
売上計算書到着時
商品が販売され、売上150は掛けとした。
売上原価は売上の半分を占めている。
販売に必要な場所代20、売上手数料30を受託者から請求された。
諸費用を売掛金と相殺の場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
積送売掛金 | 100 | 積送品売上 | 100① |
①売上150-(20(場所代)+30(受託者手数料))
諸費用を販管費とする場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
積送売掛金 | 100 | 積送品売上 | 150 |
積送諸掛 | 50 | - | - |
荷為替
銀行で荷為替50を取り組み、割引料10差し引かれた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 40 | 前受金 | 50 |
手形売却損 | 10 | - | - |
入金時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 50 | 積送売掛金 | 50 |
決算時 売上原価の算定
期首積送品は、40、期末積送品は50。
発送費を原価とした場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 90① | 積送品 | 90① |
①下記の仕訳を合算
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 40 | 積送品 | 40① |
仕入 | 100 | 積送品 | 100② |
積送品 | 50③ | 仕入 | 50 |
①期首積送品
②当期積送分
③期末積送品
発送費を販管費とした場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 90① | 積送品 | 90① |
①下記の仕訳を合算
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 40 | 積送品 | 40① |
仕入 | 100 | 積送品 | 100② |
積送品 | 50③ | 仕入 | 50 |
①期首積送品
②当期積層分
③期末積送品
積送諸掛の繰延
当期発送費10は100の商品を発送したものであり、期末まで50の商品が販売された。
発送費を原価とした場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし |
発送費を販管費とした場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
繰延積送諸掛 | 5① | 積送諸掛 | 5 |
①10(発送費)×50(未販売分)÷100(発送商品)=5
委託側 その都度法
積送時
商品100を発送し、発送運賃10を現金で支払い。
発送費を原価に算入する場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
積送品 | 110 | 仕入 | 100 |
- | - | 現金預金等 | 10 |
発送費を販管費に算入する場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
積送品 | 100 | 仕入 | 100 |
積送諸掛 | 10 | 現金預金等 | 10 |
売上計算書到着時
商品が販売され、売上150は掛けとした。
売上原価は売上の半分を占めている。
販売に必要な場所代20、売上手数料30を受託者から請求された。
諸費用を売掛金と相殺の場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
積送売掛金 | 100 | 積送売上 | 100① |
仕入 | 75② | 積送品 | 75 |
①150(売上)-(20(場所代)+30(受託者手数料))
②150(売上)÷2(売上の半分は原価)=原価
諸費用を販管費とする場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
積送売掛金 | 100 | 積送品売上 | 150 |
積送諸掛 | 50 | - | - |
仕入 | 75① | 積送品 | 75 |
①150(売上)÷2(売上の半分は原価)=原価
荷為替
銀行で荷為替50を取り組み、割引料10差し引かれた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 40 | 前受金 | 50 |
手形売却損 | 10 | - | - |
入金時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 50 | 積送売掛金 | 50 |
決算
期首積送品は、100、期末積送品は50。
売上原価の算定
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし① |
①期中で振替えているため。
積送諸掛の繰延
当期発送費10は100の商品を発送したものであり、期末まで50の商品が販売された。
発送費を原価とした場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし |
発送費を販管費とした場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
繰延積送諸掛 | 5① | 積送諸掛 | 5 |
①10(発送費)×50(未販売分)÷100(発送商品)=5
受託側
積送時
商品100を受取った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし |
販売時
受託した商品を販売し、150の入金があった。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 150 | 受託販売 | 150 |
売上計算書送付時
売上150のほかに販売に必要な場所代20、売上手数料30を記載した売上計算書を送付した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
受託販売 | 50 | 受取手数料 | 50 |
荷為替
荷為替50の呈示があり、これを引き受けた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
受託販売 | 50 | 支払手形 | 50 |
出金時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
受託販売 | 50 | 現金預金 | 50 |
決算時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし |